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ウィーンカフェめぐり②~Cafe Mozart~

ウィーンカフェめぐり②~Cafe Mozart~ 2023.09.25

ウィーンにはたくさんの有名なカフェ(現地ではカフェハウスと呼ばれる)があり、カフェモーツァルトも最も有名なカフェのひとつではないだろうか。

ケーキ好きとしては、どのカフェでもケーキを1種類は食べたいのだが、カフェモーツァルトでは、ケーキセットではなくモーニングを頂いた。

限られた旅程で何軒も足を運ぶのは難しく、いつも歯痒い。

と言いつつもカフェモーツァルトのモーニングで提供されたパンが本当に本当に本当に美味しかったので、結果的にはモーニングに訪問したのも正解だった。

CAFE MOZART

カフェモーツァルトは、1899年に開店した老舗だ。

ザッハトルテで有名なホテルザッハーや、国立オペラ座からも近く、観光でウィーンを訪れる人がメインで探索するエリアにある。カフェハウスのサイズも大きく、お店の前のエリアは広く開放的なテラス席があり、印象的だ。ヨーロッパの人は、外カフェが好きなイメージがある。気候の良いときはテラス席に座りたい。ヨーロッパのカフェの雰囲気を存分に楽しめる。

ウィーンへは2度訪れているが、いずれも冬だったのと、私はインテリアが好きなので、今回は屋内の席に座った。
インテリアはクラシカルだが豪華で実にウィーンらしい雰囲気だ。
ウィーンカフェめぐり①で書いた KONZERT CAFE SCHWERZENBERG とも似ているが、CAFE MOZARTの方が暖色で明るい色調だ。ドレープたっぷりのカーテンの色は少しピンクがかった淡めのオレンジ。布貼りされたソファ、椅子は落ち着いた色調でクッション性のある座面の布には深めの赤紫にリーフ系の模様がある。
年末のホリデーシーズンの訪れたので、店の外に置かれている木々(もみの木風)は、金色の球飾りでデコレーションされていて綺麗だった。

朝からケーキを食べようか迷ったが、モーニングを注文。ウェイターのおっちゃんが”Bitte schoen”と言って注文を急かしてきたり、全面的に素気なく嫌々な感じの対応だったので、残念ながら接客に関してはいい印象はなかった。

カイザーロールの美味しさを日本に伝えたい

kaiser-roll at Cafe Mozart

モーニングセットはパン2種とバター、飲み物。

パンは、カイザーロールとライ麦が多めに入ったドイツ風のパン。とても美味しかった。さすが本場である。

特に、このカイザーロールは、ほっぺたが落ちるほどに美味しかった。

カイザーロールは、ドイツ〜オーストリアでは定番のパンのようだが、日本ではそこまで浸透していない印象だ。
思いつく限りだと、京都の志津屋さんの看板商品「カルネ」に使用されているパンは、カイザーロールだ。
パンメーカーだと、タカキベーカリーがカイザーロールを製造しているが、小売店で取り扱われているところを見たことがない。


カイザーロールというパンは、丸い形で独特の模様が入っており、外側はパリッとはしているがフランスパン生地ほどのパリッとではない。なのでちぎって食べやすいし、フランスパンほどには食べている最中にカスが落ちたりしない。中はもっちりふわっとしている。オーブンで温めたら、ちぎった時に中のふわっとした部分がいい感じに温まっており、美味しい。

このパンがなぜ日本に浸透していないのか考えてみたのだが、特にこれといった理由は見当たらない。単純に、日本のパン屋はフランスのブーランジュリー系か天然酵母系の日本のパン屋さんかに大分類されるように感じるので、ドイツ系パンのカイザーが認知されていない(職人さんの修業先が海外だとフランスであることが多い?)だけかと思っている。
実際に、カイザーと似たようなサイズや用途のパンなら、どんなパン屋でよく見かける。

どなたか火付け役がいたら、流行りそうなパンである。

カイザーロール、こんな美味しいパンないです。

サンドイッチに、シチューと合わせて、朝ごはんに…どんなシチュエーションでもいける。
ぜひ流行って、色んなパン屋さんで買えるようになってほしい。

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